葉っぱひとつをとっても
遠くへ行きたい⑮
こんにちは。
しばらくの間、私にとっての「遠くて近い国」スリランカを取り上げて書いています。
以前の記事⑫(https://koucya-okashi.hatenablog.com/entry/2020/06/23/233256)で、古都キャンディの仏歯寺でのことを書きました。
スリランカの大多数の人は仏教を信仰していて、それはとても熱心です。
お祈りを欠かさないのもそうですが、他にも、、大切に扱うという姿勢があちこちで見られました。
「寺院や仏像の前で写真を撮るときは、お尻を向けないよう横向きか斜めポーズで撮るようにね」
とガイドさんに言われて、なぜかモデル立ちのような記念写真ばかりに。
仏教の聖地のひとつ、アヌラーダプラは特にいにしえの記憶が折りたたまれたような独特の風格があって、心が落ち着く場所でした。
そこには、お釈迦様がインドで悟りを開いたとされる菩提樹の分け木(スリーマハー菩提樹)が今も大切に守られて、風に葉を揺らしています。
周りにも菩提樹は沢山育っていて、緑の広場のような感じになっています。
若木はフェンスの中に囲まれていて、祈りが書かれた布がびっしりでした。そして、敷地内では、人びとは菩提樹の木陰に座ってそれぞれが祈りをささげていました。
ここで、こんなエピソードがありました。
ガイドさんが菩提樹の葉を拾って、私に手渡しました。
落ち葉なら持っていても大丈夫とのことで、おみやげに持ち帰ることにしました。
その時、手ぶらだったからか、手がふさがっていたからか忘れたのですが、つい、私はその葉っぱをジーンズのお尻のポケットへ入れてしまったのです。
そうしたら、ガイドさんにぴしゃりと注意されました。
「たとえ落ち葉でも、大切な菩提樹の葉を粗末に扱ってはいけないよ。
知らなかったから仕方ないけれどね。」
はっとしました。もちろん悪ぎがあったわけではないけれど、確かに軽率な行動でした。
お釈迦様に対する敬意とか、仏教の中にある考え方とか、スリランカの人にとっては、本当に心の底辺にある大事なことなんですよね、きっと。小さな命も大切にしているし、そこに宿る想いなど見えないものも私の想像をはるかに超えて大切にしている。
文化や信仰の違いというよりも、、
何かを信じて大切にする気持ちと相手の大切なものへの配慮をスリランカの人達から私は学びました。
俗世の一般生活には、色んなカオスもあるんですけれどね!
純粋に美しいと思いました。
私も、日々のあれこれまだまだですが、こういう繊細さ、丁寧さを自分にも取り入れて行きたいな、と思います。
ちなみに、その菩提樹の葉っぱは、今も大切に押し花にして自分を振り返るきっかけに大切にとっていますよ~^^