スリランカの紅茶産地 ”サバラガムワ”
こんにちは。
またまた久しぶりになりました。
昨日は11月1日、「紅茶の日」でした。
日本紅茶協会が定めたもので、「18世紀後半、伊勢の船頭だった日本人がロシアに漂流し、帰国をエカテリーナ2世に嘆願した際に紅茶を初めて口にしたのが11月」という説から11月1日に設定されたそうです。(参考:「紅茶の大事典」成美堂出版、「知識ゼロからの紅茶入門」幻冬舎)
江戸時代の船頭さん、紅茶を口にして、どんな風に感じたのでしょうかね^^
さて前回にひきつづき、今回も紅茶の話です。
「スリランカの7大産地別」シリーズ2
標高が低く地形的に南側の「サバラガムワ」からご紹介したいと思います。
前回ご紹介した「ルフナ」の北側に隣接する地区で、前回も書いたのですが、元はルフナとサバラガムワは同じ地区でした。
ですので、暖かい気候の南部で栽培されるお茶特有の色み、香り、味わいは、他の産地に比べてルフナと非常に似ています。どちらに寄せた味わいにするか茶園やロットによって差があるので、サバラガムワなのかルフナなのか正直区別がつかない場合もしばしばあるかもしれません。。
でも、私個人の感想だと、サバラガムワはルフナに比べて発酵の香りが少なく、より優しい甘い香りがするように感じます。
ちなみに、スリランカ紅茶局の表現は、「Exceptionally stylish」ことのほかオシャレな味、、といった訳でしょうか。。。?ルフナに似ているけれど、香りが特徴的で甘いキャラメルような香りだと書いてあります。
こちらもルフナ同様、CTC製法のミルクティー専用だと、香りやコクがミルクに負けないので、コーヒー派の方で「紅茶の渋みが苦手」という方にもカフェオレや麦芽コーヒーのような感覚で飲める気がします。
また、BOPなどと書かれたストレートティー向きのサバラガムワは、濃くて暗い黒褐色の水色の割りに意外と渋みは少なく干し柿のようなこっくりした甘い香りと穀物のような香ばしさが楽しめます。
黒糖などの少しくせのある甘みとあわせるのも美味しいと私は思います。黒糖を少しかじって一口お茶を飲む。スリランカのジャガリ風に♪
ドライフルーツのような甘さもあるので、デーツシロップもさっぱり且つまろやかな風味でおいしかったです。
次回は、紅茶の製法についてお伝えしようと思います。
お読みくださりありがとうございます^^
スリランカの紅茶産地 ”ルフナ”
こんにちは。
今日は、前前回の続きで「スリランカの7大産地別」シリーズ1と題して、
まずは、標高が低く地形的に南側の「ルフナ」からご紹介したいと思います。
下の絵の一番南に位置しています。山地からは離れ、平らな土地ですので、赤道直下の強い日差しがよく当たり、茶葉はぐんぐん育ち、一年中安定した味で生産される紅茶だといわれています。
分布地図などは、公式のスリランカ紅茶局さんのHPから参照して、私が簡単な絵にしました。
元々は、すぐ北にある「サバラガムワ(県の名前)」と同じ地区としてまとめられていたそうです。近年、スリランカ紅茶局が味の差別化を図り北と南に分けたとのこと。
スリランカ紅茶局によると、「Distinctively unique」私の解釈訳だと(他に類を見ない特徴的な味)。。いきなりざっくりしてます(笑)
確かに、茶葉自体の色味も、「濃い暗めの黒褐色」で、水色(すいしょく)も赤や橙の「ザ・紅茶色」というイメージとはかけ離れています。
味も、製造法によりますが、
ストレート向きの茶葉は、樹木やナッツのような熟成した香りがあり、味も濃くてパンチがある割には、後味に甘みを感じられます。たまに焼き栗や焼き芋の香りを思わせる茶葉にも出会い、インドのアッサムと似ている部分もありますね。
私は、カステラやクッキーなどの焼き菓子に合わせると、ほっこり感を味わえるストレートティーだと思います。もちろん、同系のナッツのお菓子を合わせても、負けないコクがあるのが魅力のひとつかなと思います。同じく甘みを持つ「和紅茶」とはまた違うパンチがあります。
そして、ミルクティー向きの茶葉では、このパンチをいかんなく発揮してくれるので、色んな使い方ができます!
ちなみに、「ミルクティー向き」とここでお伝えしているのは、茶葉から成分を抽出しやすくする為にあえて茶葉を傷つけたり細かくしたりする製法のことです。(CTC製法と呼ばれる丸い茶葉、ダストと呼ばれる細かい茶葉など)
この茶葉の製法については、次回またお話します。
とにかく、ルフナCTCなどはミルクティーにしても水っぽくならずにちゃんと、美しいミルクブラウンの水色に仕上がります。茶葉の分量目安などの表記がない商品を買う場合は、お店の人に相談してもいいし、この「ミルクブラウン」の色みを狙って自分好みの濃さを調節していくと、割と味も調います。薄すぎず濃すぎず。
そして、普段はお砂糖入れないで飲みたい派の私ですが、ルフナのミルクティーに関してはきび糖の甘みを加えたりするのも好きです。
煮出しミルクティーのチャイを作ったり、アレンジティーを作るときもこのコクが負けずに紅茶感を楽しませてくれて、ただの甘い飲み物にはさせません(笑)
主張がしっかりしているという点では、「Distinctively unique」ですね^^
私もパンチパンチ言ってる(笑)
長くなりました。お読みくださった方、ありがとうございます^^
ブログ、再開します~
こんにちは。
前回、紅茶の話題で書いて以来、2ヶ月以上ブログ更新が滞っておりました。
スリランカ紅茶の魅力について中途半端に下書きだけ残して、更新せず、次のブログを
見ようかなって少しでも思ってくださった方には、申し訳ありませんでした。
今年の夏は、家族の闘病だったり、自分のライフワークとして新しいことを始めたり、なかなか濃い時間を過ごしていました。この今年の状況下だからこそできた事もありますね。
本当に自分がやりたいことって何だろうという掘り下げをしてみる過程で、結果的にブログを一時お休みしました。
そして、今後は「紅茶とお菓子」というカテゴリーに限定せず、自分開示する場所と
して見聞きしたことや考えたことを自由に書いていく形式に変えようと思いました!
といっても、私は食いしん坊なので、食に関わる記事が大半を占めてくる予感がしますが^^
少しずつ自分分析?!(懐かしい響き笑)の記録として書き留めていこうと思います。
もし、今後も読んでくださる方がいらっしゃったら、嬉しいです。
セイロンティーの味はどんな味?
こんにちは。
関東も、だんだんと蒸し暑くなってきましたね。梅雨はまもなく明けるでしょうか・・
今日は、趣味で通っている紅茶教室で、フルーツティーを作りました。
フルーツの香りに包まれながら紅茶との相性を実験していく作業は、リフレッシュそのものでした!
特に美味しかったのが、グレープフルーツとのアレンジ。ほんのりと香りがうつり、時間が経つにつれて紅茶と馴染んできたので、ゆっくりと味の変化を楽しみました。
フルーツティーのアレンジでも、実はスリランカの紅茶はイイ仕事をしてくれます^^
今日は、そんなスリランカの紅茶の特徴について書いてみます。
スリランカの紅茶は、産地別に7種類あると前回の記事で書いたのですが、大きく分けると、標高の差によって3種類に分けられています。
標高が低い地域(Low Grown Tea)は、気温も高いので茶葉の生育が早く、大きな葉っぱで一年中収穫ができ、主にアッサム種が多く、コクと甘みのあるしっかり発酵の紅茶に仕上がります。
⇒サバラガムワ ルフナ
標高が600m~1200m程の中地産(Medium Grown Tea)は、中央山脈の中腹にあたり平均気温も24、25℃と温暖で気候変化も雨季乾季程度、非常に穏やかな環境で育つためか、味わいもその特徴を映しているかのようです。鮮やかで透明感のある赤色や橙色で、優しい味わいです。主張が強くない分、アレンジティーやブレンドにしてもなじみが良くて万能選手でもあります。
⇒キャンディ
1200m以上の高地産(High Grown Tea)は、スリランカで最も高い山「ピドゥルタラガラ山」を中心に連なる山脈の切り立った斜面で多くは栽培されています。
以前の記事でもお伝えしましたが、代表的なヌワラエリヤ地区では、朝晩と日中の気温差が激しく、一日に初夏と冬がやってくるようなイメージで、霧も深く立ち込めます。
この立地により、清涼感あふれる香りや程よい渋みを楽しめる紅茶が多く作られています。そのほかの高地産の紅茶も比較的、華やかな香りや程よい渋みがあって個性がしっかり出ていると思います。
⇒ヌワラエリヤ、ウバ、ウダプッセラワ、ディンブラ
今回は、ざっくりと「スリランカは標高によって大きく特徴が違う」ことをご紹介しました。
次回は、更に産地別にご紹介してみます。
もしよろしかったら、次回もごらんくださったらうれしいです^^
セイロンティーとインドティー
こんにちは!
今朝は肌寒く感じるくらいで、半袖の腕がひんやりしました。
エアコンも入っていないのに窓が結露していたり。
湿度があると気温がそれほど低くなくても意外と冷えるもの。
この長雨で、豪雨被害に遭われた方々、一日も早く穏やかな生活を取り戻せますようお祈りいたします。どうぞ朝晩の気温差や梅雨冷えにもお気をつけください。
温かい紅茶が心も温めてくれるといいな。
前回までスリランカの紅茶の旅を書いてきました。
それはそれで楽しかったのですが、
「そういえば、あんまり紅茶の話してないな~笑」と思ったので、
今回は、スリランカの紅茶について書こうと思います。
日本では、ざっくり「セイロンティー」と呼ばれることが多いのですが、スリランカの紅茶は、本当は産地別で7種類もあるんですよ~!
ヌワラエリヤ・ウバ・ディンブラ
ウダプッセラワ・キャンディ
サバラガムワ・ルフナ
カフェスタッフを経験してきて、お客様に「やっぱりセイロンがいいわね」とご注文を受けると、複雑な気持ちになったりしていました^^;
「セイロンティー」とだけ表記している商品の場合、セイロンティー「ブレンド」である可能性が高いです。
良い悪いではなくて、そのメーカーが狙っている香りや味わいで安定した商品を作るために、上記で紹介した様々な産地、または茶園の茶葉をブレンドをしているということですね。なので、メーカーによって、「セイロンティらしさ」というイメージが違うのは想像がつきます。
なので、以前飲んだセイロンティーが好みだったからと、他のお店で飲んでも必ずしも同じように感じるかは。。。
そんな時は、お客様の反応を見て、紅茶にご興味がありそうだったら、どんな味わいが好きか伺ったり、「当店の」セイロンブレンドの味をご説明してみたりします。
ダージリンやアッサム、ニルギリなどインドは産地別での味のイメージが一般的には明確に使い分けされているのに対して、スリランカの紅茶は特に日本ではそこまで浸透していない気がしてもったいなく思ったりします。
「インドティー」というメニュー、あんまり見ないですもんね笑。
知名度の差もあるのかもしれませんが、香りと味わいはスリランカの紅茶だってバラエティーに富んでいて楽しいし素晴らしい美味しさですよ^^
ブレンドはブレンドする良さがありますが、シングルで飲むとシンプルにその特長が出て私は好きです♪コーヒー党の人もこの感覚は共感される方いらっしゃいますよね・・!?
かつて私が働いていたカフェでも、ヌワラエリヤとかディンブラとか産地別の紅茶メニューが普通に並んで選べる楽しさが広がるといいな~と常々思っていました。
さて次回は、産地別に具体的な特徴を私なりにご紹介したいと思います。
紅茶よりコーヒー党の方や紅茶についてもう知ってるよ!と言う方も、ここまでお読みくださった方、ありがとうございます。
また良かったら、次回もお会いできたらうれしいです^^
スリランカが遠くて「近い」理由
遠くへ行きたい⑯
こんにちは。
しばらくの間、私にとっての「遠くて近い国」スリランカを取り上げて書いています。
スリランカは、トルコや台湾、パラオと同じ位親日国だよ!と言われたら、へえ~そうなんだ!と思いますか?
実際、日本人の私たちにとても優しくしてくれました。
ガイドさんが居ない単独行動の時も、トゥクトゥクの勧誘を断っても、「どこから来たの?」と言われて日本と答えると目の奥が輝いて、「そうなんだね~日本人か~^^」となぜか嬉しそうとか。断った手前がっかりされると後ろめたくなったりするのですが、ここでは免罪符をもっているような、日本人であることってどれだけ優遇されているの?!って思いました。
長い移動中のドライブで、ガイドさんの口からも日本が好きと言う話、何回も聞きました。
ところで、スリランカの首都の名前は「スリジャヤワルダナプラコッテ」(旧首都コロンボの近く)。
スリランカの以前の大統領、ジャヤワルダナ氏の名前にちなんでいます。
聞きなれず、長くてなかなか覚えにくい名前ですが、私はガイドさんから聞いて旅中に完璧に覚えました。
スリランカと日本
第二次世界大戦で敗戦した日本は、サンフランシスコ講和条約で国土分断の危機にあった中、当時スリランカ代表(独立直前までイギリス領下だったため、勝戦国側)として出席していた彼が残した言葉と態度によって日本は分断されずに今に至るというエピソードです。私が学生の時には、教科書にも載っていなかったし、勉強したことがありませんでした。今の学生さんは習っているのでしょうか?
数年前に日本のテレビでもいくつか紹介されていたようで、ご存知の方も多いと思いますので詳細は省きますが、関心のある方はぜひご自身でも調べていただきたい内容です。実際の当時のスピーチも残されているようです。
そして、下記の本も分かりやすくておススメです!スリランカの文化全般についても書かれていて興味深いです。「鈴木大拙」のエピソードも素敵。。
帰国してからも度々ページをめくっています。
観光ブックでは分からない魅力が詰まっていて、写真もとても美しくて見飽きません。
スリランカに行く前に読めば、より旅が充実すると思います!
著者のにしゃんたさんも、スリランカ人で沢山情報発信されているようですので、よかったら検索してみてください^^
「相違点ではなく、共通点」
このお話、スリランカ人なら、誰でも知っているそうです。
ガイドさんの話を聞いたり、上記の本を読んだり、実際にスリランカ人に触れてみたりして、親日国というのが納得できました。
お互いに支えあっている関係性だとスリランカ国民は捉えているように思います。
日本人は細部は違えど、大元にある仏教の教えに共感できる民であろうと純粋に信じているからこそ、日本を救い、今も好意を寄せてくれるのでしょう。
私にとって、スリランカが遠くて「近い」のは、スリランカ人の日本人に対する想いの「近さ」なのだと思います。もっと言えば、未来の日本人への期待ともいえるでしょうか。
スリランカに行くことで、私個人にとっても一気に精神的に「近い国」になりました。
熱烈なラブコールをもらったような気持ちにもなりました。
日本からも、もっと近い国になっていけたらいいなと思っています。
私が今出来ること、、スリランカから学んだことをだれかと共有したり、生活に活かして楽しむことかな~?
美味しいスリランカの紅茶から始まった学びの旅でした^^
次に行く時には、繊細な部分ではあるけれど、スリランカのタミル系の人とも交流が持てたらいいなと思ってみたり。
長くなりました!!
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました^^
葉っぱひとつをとっても
遠くへ行きたい⑮
こんにちは。
しばらくの間、私にとっての「遠くて近い国」スリランカを取り上げて書いています。
以前の記事⑫(https://koucya-okashi.hatenablog.com/entry/2020/06/23/233256)で、古都キャンディの仏歯寺でのことを書きました。
スリランカの大多数の人は仏教を信仰していて、それはとても熱心です。
お祈りを欠かさないのもそうですが、他にも、、大切に扱うという姿勢があちこちで見られました。
「寺院や仏像の前で写真を撮るときは、お尻を向けないよう横向きか斜めポーズで撮るようにね」
とガイドさんに言われて、なぜかモデル立ちのような記念写真ばかりに。
仏教の聖地のひとつ、アヌラーダプラは特にいにしえの記憶が折りたたまれたような独特の風格があって、心が落ち着く場所でした。
そこには、お釈迦様がインドで悟りを開いたとされる菩提樹の分け木(スリーマハー菩提樹)が今も大切に守られて、風に葉を揺らしています。
周りにも菩提樹は沢山育っていて、緑の広場のような感じになっています。
若木はフェンスの中に囲まれていて、祈りが書かれた布がびっしりでした。そして、敷地内では、人びとは菩提樹の木陰に座ってそれぞれが祈りをささげていました。
ここで、こんなエピソードがありました。
ガイドさんが菩提樹の葉を拾って、私に手渡しました。
落ち葉なら持っていても大丈夫とのことで、おみやげに持ち帰ることにしました。
その時、手ぶらだったからか、手がふさがっていたからか忘れたのですが、つい、私はその葉っぱをジーンズのお尻のポケットへ入れてしまったのです。
そうしたら、ガイドさんにぴしゃりと注意されました。
「たとえ落ち葉でも、大切な菩提樹の葉を粗末に扱ってはいけないよ。
知らなかったから仕方ないけれどね。」
はっとしました。もちろん悪ぎがあったわけではないけれど、確かに軽率な行動でした。
お釈迦様に対する敬意とか、仏教の中にある考え方とか、スリランカの人にとっては、本当に心の底辺にある大事なことなんですよね、きっと。小さな命も大切にしているし、そこに宿る想いなど見えないものも私の想像をはるかに超えて大切にしている。
文化や信仰の違いというよりも、、
何かを信じて大切にする気持ちと相手の大切なものへの配慮をスリランカの人達から私は学びました。
俗世の一般生活には、色んなカオスもあるんですけれどね!
純粋に美しいと思いました。
私も、日々のあれこれまだまだですが、こういう繊細さ、丁寧さを自分にも取り入れて行きたいな、と思います。
ちなみに、その菩提樹の葉っぱは、今も大切に押し花にして自分を振り返るきっかけに大切にとっていますよ~^^