象の家族と私たち
遠くへ行きたい⑪
こんにちは。
しばらく、また行きたい「遠くて近い国」として、スリランカについて書いています。
旅の備忘録兼ねて紹介しようと思って書き始めたら、どんどん思い出して続いています^^;が、よろしければお付き合いください。
野生の象たちに会える「ミンネリヤ国立公園」。
前回⑪の記事で書いたように、象は基本的には穏やかな性格ですが、記憶力が高くとても賢いのだそうです。そのため、良いことも悪いこともちゃんと憶えている為、ときに人間も注意して接する必要があるようです。
ガイドさんが説明してくれました。
じつは数年前、象の親子が車道を渡ろうとして、子象が車にひかれてしまう事故があったそうです。その親象は、人間に合うと威嚇するようになったとのことで、地元の人達はその象と他の象たちを認識しているようでした。
きっと、長い歴史の中でそういう事故は少なからずあったと思われます。
人と象が共生している地域では、こういう現実もあるのですね。
しかしガイドさんも地元の人達も、象たちに対して心から尊敬し愛をもって接している印象でした。それは、近くまできてもそのまま草をむしり取って食べ続けるのんびりとした象たちの姿をみても感じました。象たちが安心している…というか人間に対して好奇心を持ちながらも気にしていない素振りをしているような?
スリランカの人達が築き上げてきた関係性なのかなと思いました。
ただ、道路を渡るときは別!!さすがの象たちも車が怖いようで、渡るまでだいぶ長い時間、路肩でもじもじしてます。そりゃあ命がけですものね。
人間はもちろん一旦停止して待っているのですが、エンジンが切れないので、象たちは本当に渡っていいのか?!とドキドキしてなかなか渡ってくれないのです。一歩進んだと思ったら、腰が引けて二歩下がる。
その間、着々と車渋滞が。。
そのうち、気の短いドライバーが一台でも通過してしまうと、ますます象さん萎縮。
そのドライバーは他のドライバーに注意されて、周囲からも冷たい非難の目。
ますますの渋滞。
30分くらいは待ったでしょうか。しかし、象たちに早く渡るように促すなどは出来ません。出来ることは、ただ静かに見守ること。
この状況下でこの場には、人間の時間感覚や都合を介在させるという考えが無いことに妙に安心しました。地元の人は、こうなったら仕方ないや。と素直に自然に任せられる懐の深さがあるのかもしれません。
というか、むしろそれが自然の一部として生きるということなのかもしれません。
子象も居たので、尚のこと慎重な象家族。象の気持ちになってハラハラドキドキしながらも、みんなで応援の気持ちを送り続け、夕焼けになり始めた頃、やっと渡ってくれました^^
スリランカで象に会える場所は、他にもあります。
密猟や事故で親を失った子象の孤児院や飼いならされた象の背中に乗れるツアーなども
あります。人と共に暮らしてきた動物として、それらも貴重な良い体験になると思います。
でも、もし限りなく野生に近い状態で生活している象と出会いたいと思ったら、この国立公園は、すばらしい場所だと思います。砂埃まみれになりながら風を切って広大な草原をドライブするのもまた良かったです。